叶内拓哉と行くバードウォッチングツアー in琵琶湖のご報告-1
昨年末、「琵琶湖で探鳥会をやってみては」という企画が持ち上がり、先生にご相談したところ、湖北(琵琶湖の北部のことを湖北と言い、湖北という地名もあります)は探鳥するのに面白いところだということで、話はトントン拍子に進みましたが、先生のスケジュールの問題や更に鳥の状況のこともあり、ツアーは2月13日から15日に実施となりました。
しかしツアーの決定から実施まで1ヶ月強しかないため、急いで鳥観察ホームページで発表してみたものの、私は、本音のところ今回は計画だけになるかもしれないと実は覚悟していました。
ところが1月のホームページ日帰り観察会実施の際、参加された方にお勧めしてみたところ、行ってみたいという方が何人かいらっしゃって、更に地元関西からの参加希望の方もおられ、その後わずかな期間のうちに10名を超えるお申込みをいただき、ツアーは予想に反して、急遽実現の運びとなったのでした。
<1日目>
参加者は最終的に12名様になりました。朝7時半、東京駅「銀の鈴広場」に集合していただき、新幹線のぞみで一路京都へ。京都での乗り換えは約15分。日本最大の湖である琵琶湖の南部のほとりにある都市、大津には11時前に到着しました。
一週間前、関西方面は週末に向かって下り坂と天気予報で聞いていましたが、13日と14日の2日間は晴れるとのことで、ほっと一安心。大津到着後、現地参加の方と合流し、早速琵琶湖の北、その名も湖北町の野鳥センターへ向かって移動することにしました。
大津から湖北町までは高速道路を利用して行くことにしましたが、実はこのとき初めて、私は琵琶湖の大きさを実感させられることになりました。東京と違って渋滞もなく、車は順調に走り続けましたが、それでもなんと湖北町までの距離は約100キロもあり、目的地到着までに1時間以上かかってしまいました。琵琶湖の大きさは侮れません。
それに高速道路は琵琶湖に沿って走っているにもかかわらず、高速道路を走る車の窓からは全く琵琶湖の風景が見えないため、結構退屈なドライブになってしまいます。
12時30分頃、湖北町に到着し、そこにある道の駅「みずどり野鳥センター」でまずは昼食を各自とることにしました。その間に野鳥センターに電話して、昼食後訪問することを告げると、開口一番
「今日着かれたんですか?!いやぁ!皆さんはラッキーですね!」
と言われました。
実は東京出発の数日前に野鳥センターの方から、叶内先生が来るのならぜひ野鳥センターに立ち寄ってほしいとの電話をいただいていたのです。そのとき、オオワシやサカツラガン、ハクガンがいることを聞いていましたので、改めて同じ方からラッキーですねと言われてちょっと妙だなとは感じていました。そうしたらなんと!別の超珍鳥が現れていたのです。
私が先に野鳥センターに入って、お話を伺ったとき、
「実は何と今日、ハイイロガンが現れたんですよ!」
と言われて、その価値の分からない私はつい
「はぁ、そうですか?」
とつい間の抜けた受け答えをしてしまいましたが、向こうにしてみれば“どひゃー!”と驚いてくれることを期待したに違いありません。悪いことをしてしまいました。一発でコイツは鳥を知らないなと思われたに違いありません。
あとから聞いたところハイイロガンは日本でも23~4年ぶりの発見で、叶内先生も過去に1度しか見たことがないほどの珍鳥だそうでした。年から年中鳥を追いかけている先生にして、20数年ぶりというのですから本当に稀有な機会に恵まれたことになります。
最初は叶内先生ご自身、ハイイロガンの話を聞いても半信半疑だったようで、センターの方からきれいに写っているハイイロガンの写真を見せられてようやく納得したご様子でした。それほどの珍鳥だったのです。
実は、野鳥センターの展望台からは目の前に広がる美しい琵琶湖とそこにきているコハクチョウやオオヒシクイ達が観察できて、反対側のアカマツの自生している山にはオオワシがその時も止まっており、野鳥センターが用意したプロミナで観察することができるようになっていました。私もチラッとプロミナを覗きましたが、オオワシが木に止まって、その威風堂々たる姿を見せてくれていました。
しかし先生の頭はもうハイイロガンに占領されてしまい、センターの方から教えていただいたハイイロガンがいる場所へ1分でも速く行くために、せっかく入場料200円を払って入ったのにろくに見学もせず、ものの3分ほどで野鳥センターを後にしてハイイロガンを探しに出発することになりました。
ところが、叶内先生もこの辺りは初めての土地で、ハイイロガンが出ている場所の名を聞いたものの、場所を特定できるはずもなく、簡単に行けるとは思えませんでした。
地名を車のナビに入れてみても、細かすぎて地名検索もできない状態。しかたなく、とりあえず先生の勘で車を走らせることにしてみました。地図では大体の場所しか分かりません。15分ほど走った後、一般道とそこから脇に入った農道を走ったとき、かなり前方に車が何台も止まっているのが見えました。近くの畑には沢山の白い点が見えます。どうやらコハクチョウと思われます。あの中にハイイロガンがいるのでしょうか。
何人かがカメラを構えて前方のコハクチョウの群れを撮影しているようです。どうやら先生の勘がハイイロガンのいる場所を探り当てたようです。それにしても一発で、まるで最初からここが分かっていたかのような運転といった感じでした。大げさでなくホントすごいです。
それにしても、今日現れたばかりだと言うのに、すでに15台程度の車が止まり、大きなカメラを構えた人たちが目の前の、稲刈りが終わって水を抜いた後の水田をヨタヨタした感じで歩く鳥たちに向かって撮影しています。
全体で約100~150羽の群れだと思います。吹きさらしのせまい農道の上はさえぎるものが全くないため、車を降りた皆さんは寒風をモロに受けながら鳥の群れを見つめていました。晴れているだけにとても寒かったんですが、みなさんは一生懸命鳥たちを見つめていました。
すると先生がほぼ正面の30~40mはなれたところでコハクチョウの間に交じって地面の餌をしきりに探しているハイイロガンを見つけました。やや逆光気味の田んぼの中に1羽のマガンと一緒に歩いています。
私の感覚ではハイイロガンという名前はちょっとつまらない名前ですが、実際にはマガンと比較して体全体の色は薄く、グラデーションがかっていて、羽の輪郭なのか白い模様がついていました。嘴と足はきれいなピンク色で、珍鳥だからという意識があったからかもしれませんが、私にはきれいな鳥に見えました。
同じ一群の中で少しはなれたところにサカツラガンが、やはり1羽だけいるのを先生に教えていただきました。ハクガンは?と思って聞くと、ハクガンは割と我々に近い15メートルほど先の田んぼの上で丸くなっていました。寝ているのかあまり動きません。
コハクチョウの群れの中に、ハイイロガン、サカツラガン、ハクガンという珍鳥がそれぞれ1羽ずついたわけです。それぞれ少しずつ移動しながら、しきりに餌を探して食べていました。みなさんも思い思いの場所で鳥たちを観察したり、写真を撮ったりしておられました。
それにしても、ここの鳥たちは人間を怖がらないのか、我々のすぐ近くまで来てのんびりと餌を探していました。先生によると、他の場所と比較して、この辺りの鳥たちは、なぜか人間を警戒せず、近寄れるところなんだとか・・。さらにコハクチョウの群れの中にいることで安心感が生まれるのだとか。私もめったにお目にかかれない鳥を目の前にして、少しでもいい写真をゲットしようとハイイロガン、サカツラガン、ハクガンと「珍鳥3兄弟」を右に左に移動しながら追いかけてみました。
ハクガンは気がつくと、かなり我々の近くに来ていましたが、ハイイロガンは遠くにいて、右左に移動するものの、なかなか近づいてはくれませんでした。
帰りは高速道路を使わずに大津へ戻ることにしましたが、所どころかなり渋滞しており、結局ホテルにたどり着くまでに3時間くらいかかってしまい、大津に泊まって湖北を探鳥する難しさを感じました。
夕食は、大津プリンスホテル1階の中華レストラン「李芳」の個室でとることになりました。おいしいコース料理を皆さんに堪能していただき、今日見た鳥たちの話で皆さん大いに盛り上がりました。
明日は少し速めに出発してもう一度同じ場所を探してみようと言うことになり、早々に休むことにしました。
コハクチョウ コハクチョウ
ハクガン コハクチョウ
ハクガン サカツラガン
ハイイロガン ハクガン
サカツラガン ハイイロガン(右)とマガン
ハイイロガン 大津プリンスホテルから見た琵琶湖の夕景
大津プリンスホテルから見た琵琶湖の夕景












