2009.05.08
おとぼけ添乗記 やんばるの森 -No2-
4月7日(火)
朝食は夕食と同じ場所でバイキング。和洋の食事が並ぶ。私は和食をいただくことにしました。俺流採点では朝食は10点満点で言うと7点かな?細かくそろっているようで、メインとなるものが少ないように感じた。でも牛乳は自然の甘みがあってうまい。牛乳はおすすめです。
出発は8時。車を駐車場から回して玄関で先生と皆さんが来るのを待ちます。天気は上々です。午前中はオクマの少し南にある、大宜味村の喜如嘉(きじょか)といわれるアヤメ畑が広がるところへやってきました。季節的には最盛期を少し過ぎたところですが、一面に広がるアヤメの畑は薄い紫色のじゅうたんを敷き詰めたようで実に壮観です。
見ると、傍らの看板に「オクラレルカ」と大きく書かれていて、あちこちで同じような看板を見かけます。聞くと大宜味村喜如嘉と言えばこのアヤメ、実はアイリスの仲間で、オクラレルカというのだそうですが、この花の栽培では県内一の生産量を誇るのだそうです。一方でここはバンやセッカ、アマサギなど野鳥の観察地でもあるとのことです。ワゴン車を農道に並べて邪魔にならないように止めて畑まで歩くことにしました。
畑の中を縦横に農道が走っており、畑に沿って歩くことにしました。まず気づくのはセッカ。この鳥は以前、宮古島でも飛んでいるのをよく見かけましたが、これまでに一度もまともな写真を撮ったことがなかったので、沢山飛んでいるここで何とか自分なりに撮影に成功したいと思いました。変則的な飛び方でしかも人間に近づこうとしないので、セッカは私にとってなかなか写真に収めるのが難しい鳥です。セッカは「ヒ、ヒ、ヒ」と鳴きながら上昇し、お日様を目指す。そして「チ、チ、チ」と鳴いて舞い降り、地を目指すとおっしゃっていた方がおられましたが、ナルホドと感心させられます。しかし私にはその鳴き声はいつも、「チン、チン」とか「キン、キン」など固い石を打ち鳴らすような音に聞こえます。
畑の中を縦横に走っている農道に沿って、皆さんで歩き始めました。私は例によって一番後ろからついて歩きながら、撮影のチャンスを狙いますがなかなかどーして、敵もさるもの撮らせてくれません。しかし、じーっと見ていると、オクラレルカの咲いている近くに鳴きながら飛んできて、花に止まることがありますし、撮影のチャンスはありそうです。飛んでいるときは鳴いていて、泣き止んだときはどこかに止まったときです。少し皆さんから離れてセッカを探してみました。ようやくセッカが止まっているのを見つけて撮影したり、先生が見つけたノビタキを皆さんが見た後、自分だけ追いかけてみました。そして道端の花や低木の上に止まったナイスポーズちゃっかり撮影させていただきました。
近くの花畑にはなんとコスモスが咲いています。おまけにアカトンボまで見つけました。秋に見られる赤とんぼやコスモスがこの時期に咲くというのはどういうことか良く分かりませんが、ここ沖縄の気温はこの時期実にすごしやすい気候です。今朝早く、部屋からレストランまで歩いたときも、寒さは感じませんでした。むしろとてもすがすがしい感じでした。このさわやかな気候がコスモスを咲かせる理由なのかもしれません。
オクラレルカの花畑を全員で歩きながら、水田を歩くセイタカシギや、水路の上を高速で飛び回るリュウキュウツバメ、そしてダイサギ、セキレイ、バンなどを見たり、さらに珍しいクモも観察しました。
しばらくして歩いていると道端すぐのところでセッカが止まっているのを見つけました。本当に手が届くほどにすぐそばです。あまりに近くだったので怪我をしているのかと思ったほどでしたが、ひとしきり写真を撮らせると、ヒ、ヒ、ヒ、と鳴いて元気に飛んでいきました。先生も
「調子狂うなぁ」
と苦笑い。
その後も先生を先頭に付近をウロウロしましたが、なかなか大物には会えません。すると花畑のそばの駐車場で皆さんが立ち止まっていた際に、私がちょっと先生と話をしていた時、その肩の向こうの畑の畦のところに何かが出てきたのを見ました。
「あれ?なんか出た」
と言ったとき振り向いた先生が
「ヒクイナだ!」
と叫んだのです。
ヒクイナを知らない私でも先生の態度でコリャ珍しい鳥なんだと分かりましたので、夢中でシャッターを2回切りました。しかし出てくれたのはほんの5~6秒ほどでした。後は待っても待っても梨のつぶての待ちぼうけ。全く出てきません。よほど用心深い鳥のようです。
仕方がないので移動することにして、ホテルの裏の敷地を歩いてみました。シロガシラやらイソヒヨドリは結構あちこちで頻繁に見られました。参加のどなたかが目ざとく、畑の枯れ草の中に小さな鳥を見つけました。やや遠慮がちに先生に「畑の中に何か鳥がいるんですけど・・・」とおっしゃいました。それはハリオシギでした。小さなシギでしたが、これでこの辺りで見られるシギはすべて見たことになるそうです。
昼食後はいよいよ、やんばるの森へ向かいます。
今回のツアーのメインターゲットは何といってもヤンバルクイナとノグチゲラの2つ。沖縄もどんどん開発が進み昔からの森を残しているのは沖縄本島北部のやんばる(山原)といわれる地域だけになってしまいました。この森にしか見られない鳥で、特に有名なのがこの2つで、今回参加の皆さんもこれを見るためだけにここまで来たといっても過言ではないでしょう。
うっそうと広がる森の中を皆さんを乗せたワゴン車は進んでいきます。しかしそれにしても沖縄の道は山の中にもかかわらず、どこまでも舗装されています。交通量のほとんどない、きれいに舗装された道には妙な違和感を感じますが我々にとっては随分移動が楽でした。30~40分くらい走ったでしょうか。山中に車を止めてノグチゲラを探すことにしました。天気も日陰ができるほどよく晴れ渡っています。ヒカゲヘゴのおおきな葉が道端すぐ近くまできていて、下から見ると放射線状のシルエットが美しく浮かびます。
昼下がりのしんと静まり返った時間が流れていきますが、ノグチゲラはなかなか見つかりません。時々かなり近くでノグチゲラの「ヒュイッ!ヒュイッ!」という(私にはこう聞こえます)鳴き声を聞いて皆さんの間に緊張が走りましたが、結局は2時間3時間経過してもノグチゲラは見つかりませんでした。
さすがに疲れも出てきて、私はチョウやトンボを撮影して気を紛らしたりしてました。今日はこれまで、引き上げかと思っていると、今度はみなさん一斉に歩いて少し離れたところへ移動し始めました。どうしたことかと思いましたが、実はこの辺りには湧き水が溢れてきていて、その水を県内各地から採取に来ている人がいます。いわゆるミネラルウォーター「やんばるの森」というやつですね。
その水を汲みに来ている方から、ここに何とアカヒゲが来るという情報を聞いたのだそうです。もちろん水汲みの人はアカヒゲという鳥を知っていたわけではなく、私たちが東京から鳥を見に来ているのだと知って、そりゃ奇特な人もいたもんだとばかり、この水飲み場にも赤っぽい小鳥が来るよと教えてくれたのです。それを聞いて先生初め皆さんが、「そりゃアカヒゲだ!」と思ったワケです。
水汲みに来ている方は何十本もの器を持ってきていて、チョロチョロ流れ出る水を根気よく器につめています。何台か後ろに並んで待っているのですが、最後の人はおそらく夜中になるのではないでしょうか。私もちょっともらってその湧水を飲んでみましたが、確かにおいしい水でした。
しかし水汲みの人が何人もいるところに本当にアカヒゲが出てくるのでしょうか?ちょっと半信半疑で我々は少しはなれて見守ることにしました。
疲れから私はアスファルトの道路に直接座り込んで休んでいました。20分ほど待ったころ、「きたっ!」と声がしました。一斉に同じ方向を見ると、道路をはねながら横断する赤い小鳥が見えました。アカヒゲです。皆さん夢中で見ています。アカヒゲは水場の近くまで行って、じっとしています。すぐそばに水を汲んでいる人がいるのに全くお構いなしの風情です。我々がザワザワしてしまったのか、まもなく来た道を逆戻りしてまた森の中へ入っていきました。わずかな時間でしたが、ノグチゲラを見られず、そのままがっかり状態で帰るところだった我々にとって、このアカヒゲ様はまさに救世主でした。おかげで、気分よく帰路につくことができました。
今日は夕食前にお風呂に行く余裕があったので、先生と大浴場に行って見ました。ホテルの向かい側にある二階建ての建物で、浴室は2階部分にあり、大きな窓からは広がる海水浴場と大海原が見渡せます。しかし難点を言えば、浴槽が浅い。一部なら分かりますが、なぜ浴槽全部が浅いのでしょう。30センチほどの深さしかないためお湯に浸かった満足感がありませんでした。ちょっと残念。
今日の夕食は昨日と同じところで、魚料理のはずでしたが、運ばれてきたのは鳥料理でした。どこかで手違いがあったようです。こちらも残念。しかし、今日はどんどん料理を手早く出してもらうように注文していたので、その点ではストレスなく食事ができました。
夕食後に先生から明日のスケジュール発表がありました。明日は早朝暗いうちから出発していよいよヤンバルクイナを探します。しかし、当初から先生はどちらかというとノグチゲラの方はなんとか見られると自信があったそうです。しかし、それが達成できなかった今となっては、もしヤンバルクイナも見られないと皆さん残念がるだろうなと、やや不安が募りました。
一面のオクラレルカの花 ノビタキ
コスモス セッカ
珍しいクモ セッカ
セイタカシギ リュウキュウヒクイナ
ハリオシギ イソヒヨドリ
ムナグロ アカトンボ
アミハラ セッカ
シロガシラ やんばるの森
ノグチゲラを探す ヒカゲヘゴ
リュウキュウハグロトンボ 人間の足元まで近づく アカヒゲ
アカヒゲ




















